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制度融資(制度金融)を知らない人は必見! 制度融資の見方を解説

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こんな方におすすめ

 制度融資(制度金融)とは、地方自治体などが実施している金融施策です。

 意外と知らない方も多いので、

  「金融機関から資金調達を考えている」

という方がいましたら、制度融資という支援制度を利用することも検討されたほうがいいです。

 本稿では、制度融資(制度金融)の概要を説明すると共に、実際にその見方を解説します。

制度融資(制度金融)について

 制度融資(制度金融)とは、地方自治体などが実施している金融施策です。
 とはいえ、地方自治体などが融資をしてくれるわけではありません。

 民間の金融機関から融資を受けるにあたって、金利などについて補助金が出て、低金利になるというものです。
 例えば、金利について2分の1の補助金が出たり、金利を一定額(差額分が補助金)にするという形がとられます。

 コロナ禍で、金利なし、無担保・無保証の融資制度がありましたが、まさしくこれはこの制度融資になります。

 制度融資(制度金融)自体はこのようなものですが、更に踏み込んで、注意点も含め、その見方を説明します。

制度融資(制度金融)の見方

 東京都の制度融資の一つである「創業融資」(令和3年度)を例にとりながら、見方を説明したいと思います。
 (なお、もっと知りたいという方は、東京都「制度融資一覧」を見てください。)

対象

 制度融資(制度金融)のポイントしては、利子に補助金を出し、政策的に支援を行う以上、一定の基準をクリアする必要があります。
 基準については、創業者向け、経営革新計画の認定など、その融資制度によって異なります(もちろん、地方自治体によって異なります)。

(例)東京都の「創業融資」の場合

  「(1)から(3)のいずれかに該当するもの
   (1)事業を営んでいない個人で、東京都内で創業しようとする具体的計画を有するもの
   (2)創業した日から5年未満である 中小企業者又は組合
   (3)東京都内で分社化しようとする会社又は分社化により設立された日から5年未満の会社」

 このようになっており、その名の通り、創業者が対象となっています。
 なお、創業融資と聞くと、創業前を思い起こすかもしれませんが、創業後5年未満の対象になっています。

資金使途

 一般的な融資と同様に、設備資金なのか、運転資金なのかという点に注意が必要です。

(例)東京都の「創業融資」の場合
 設備資金・運転資金ともに対象になっています。
 (詳細は、後の「期間」のところで説明します)
限度額

 限度額は、当該制度を使って、借入が可能な金額です。
 ただし当然ながら、限度額はあくまでも限度であって、実際にその額まで、満額借りられるというわけではありません。
 (逆に言えば、限度額一杯まで借りられるというほうが少ないかもしれません)

(例)東京都の「創業融資」の場合

 「3,500万円
  創業融資対象(1)は自己資金に2,000万円を加えた額の範囲内」

 この制度を使って借りられる融資の限度額は3,500万円となっています。
 ただ、「創業融資対象(1)事業を営んでいない個人で、東京都内で創業しようとする具体的計画を有するもの」の場合には、自己資金が1,500万円以上なければ、この3,500万円の限度額が下がることが分かります。

期間

 返済の期間です。
 以内となっていることが多いと思いますが、限度額と同様に、あくまでも最長期間なので、当然ながら、短縮される可能性はあります。

(例)東京都の「創業融資」の場合

 「運転資金 7年以内
  設備資金 10年以内」

 運転資金と設備資金の両方借りられるわけですが、設備資金のほうが期間が長くなっています。
 一般的に、設備資金のほうが大きくなるので、返済期間も運転資金よりも長いことが多いです。
 (ただ、実務的には、運転資金・設備資金で同じ返済期間が設定されることも多いです)

据置期間

 通常は、返済が始まると、元金返済と金利の支払いを行いますが、据置期間があると、その期間は元金返済はせずに、金利の支払いだけで済みます。
 当初、元金を返済しなくて済むので、資金的には余裕ができます。ただ、あくまでも返済を遅らせるだけの措置なので、元金返済が減るわけではないので、要注意です。

(例)東京都の「創業融資」の場合

 「運転資金 1年以内
  設備資金 1年以内」

 いずれの資金も、据置期間として、1年以内設定できることが分かります。

利率

 支払金利で、この部分について、補助金がでます(専門的には「利子補給」と言います)。

 ここで注意は、補助金が出るからと言って、必ずしも融資の条件が良くなるわけではないということです。
 地方自治体などは、融資の条件をよくするために、補助金まで出しているわけですが、例えば企業の経営状態がいい場合は、むしろ制度融資を利用せず、プロパーで金融機関から借りたほうが、得という場合もあります。

 逆に言えば、民間の金融機関から貸したいと思うような企業ではなく、民間金融機関の融資条件が良くないような企業が利用したほうがいいとも言えるでしょう。

 分かりやすく言えば、創業などは、日本政策金融公庫から借りることが多いと思いますが、民間の金融機関から借りる際には、融資の条件としては不利なことが多いので、この制度融資(制度金融)を利用したほうがいいことが多いです。

(例)東京都の「創業融資」の場合

 「固定1.9%以内~2.5%以内又は変動」

 固定金利か変動金利かを選ぶことができ、固定金利の場合は1.9%以内~2.5%以内であることが分かります。
 (なお、一般的には幅があることが多いのですが、時々、○%と決まっている制度もあったりもします)

保証人

 経営者保証ガイドラインが出て、少しずつですが、個人保証は減っている印象ですが、保証人が必要かどうかも問題になります(また、保証人を付けたら、金利が安くなったりすることもあります)。

 ただ、昔とは異なり、保証人が必要でも、代表者以外の保証は不要としていることが一般的になっています。

(例)東京都の「創業融資」の場合

 「原則として法人代表者を除き連帯保証人は不要」

 この制度融資においても、法人代表者の場合は、必要になることがありますが、それ以外は求められていない形になっています。

物的担保

 土地などの不動産の担保が必要なことがあります。

(例)東京都の「創業融資」の場合

 「原則として不要」

 この制度融資では、不要となっています。創業系の制度融資においては、創業者はあまり資産をもっていないため、あまり物的担保を求められることは少ないように思います。

保証料率

 信用保証に関して、保証協会付きであるときに、保証料率もかかってきます。
 ここにも、補助金が出る場合があります。

(例)東京都の「創業融資」の場合

 「全事業者 2分の1」

 保証料率の半分が補助されます。なお、保証協会付きを任意としている場合や必須としている場合などもあるので注意が必要です。

返済方法

 一括返済・元金均等返済などの返済方法です。
 基本的には、一般的な融資と同様に、短期は一括、長期は元金均等返済という場合が多いと思います。

注意点

 あくまでも、利子に関する補助金であり、資金を貸してくれるかどうかは、民間の金融機関次第です。

 今ではありませんが、かつては金融機関に地方自治体などが資金を積立し、金融機関が貸しやすくするような形もありましたが、現在はあまりそのようなことをやっているところは少ないと思います。

 ですので、まずは民間の金融機関に相談し、融資の可否を検討する中で、制度融資(制度金融)の利用を考えたらいいと思います。

 なお、金融機関の担当者に相談してもいいのですが、担当者によっては制度融資(制度金融)についてあまり知らないこともあると思うので、自分である程度、調べて、金融機関の担当者に相談という流れのほうがいいようにも思います。

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