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説得される心理について

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概要

 どのような場合に人は説得されるのでしょうか。
 もし、うまく顧客や消費者などを説得できれば、自社の売上・業績アップにつなげることができるでしょう。

 社会心理学者のチャルディーニの研究で、人が説得されるときには、次の6つの心理があるとされます。

  ・恩義
  ・一貫性
  ・社会的な証拠
  ・好意
  ・権威
  ・希少性

6つの心理

恩義

 他者にしてもらったことと同等の恩返しをすべきだと考えてしまう心理です。

 試食やお試しなどは、その商品の価値を知ってもらうとともに、この心理に働きかけ、申し訳ない気持ちにさせたりし、購入をしてもらうという手法です。

一貫性

 自分の言うことと行動が矛盾しないようにするという心理です。

 営業などによるフット・イン・ザ・ドアなどは、とりあえずドアを顧客に開けさせることによって、販売につなげますが、このとき顧客にはこの一貫性の心理が働いていると言えるでしょう。

社会的証拠

 他の人が正しいと考えていることで、自分も何が正しいのかを判断するという心理です。

 売れ筋商品やヒット商品を買いたくなるのは、この心理です。「売れてます」「地域No.1」などといった広告も、この心理を突いたものと言えます。
 また、好意・権威とも重なっている部分かもしれませんが、口コミなどもこの心理が働いていると言えるでしょう。

好意

 自分が好きな人・尊敬する人からお願いをされたら、同意するという心理です。

 心理学でいう「ハロー効果」は、まさしくこの心理です。
 また、ブランディングなども、この好意に基づく心理を突いたものと言えると思います。

権威

 権威のある発信源からの情報は信じやすいという心理です。

 広告で専門家の意見を掲載したり、学術的な結果を示したりするのは、この権威に基づいたものといえるでしょう。

希少性

 入手が難しいほど、魅力的に見えるという心理です。

 商品・サービスで言えば、差別化・貴重なものを提供するという話になりますし、マーケティングで言えば、数量限定・期間限定などの施策を用いて、希少性を高めるという方法が採られます。

まとめ

 心理としては、上記の6つですが、商品・サービスに応じて、その1つではなく、いくつかを組み合わせることが重要です。

 例えば、好意をもった人から商品を購入したいと思っても、その商品に信頼性がないと購入することはないので、しっかりと権威づけをするなどの対策が必要とされます。

 特に、何気なく、上記のような心理に基づき、マーケティングを行っていることが多いと思いますが、上記の1つしか、対策していないということがあります。そこで、他の心理にも訴えることができないかといった視点をもって、複数の心理をついて、マーケティングなどを行っていくことが大事です。

参考

松井剛・西川英彦(編著)『1からの消費者行動

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