はじめに
一般的な経営において、資金繰りというのは非常に重要です。
ただ特に、事業再生といった経営が厳しい状態になると、資金繰りが厳しい、お金がないなどの問題が大きくクローズアップされます。
この問題を解決するには、新たに資金を調達したり、支払を待ってもらうなどのいくつかの方法があります。
これらの方法について、大きな方向性として、財務諸表の項目で整理しながら、一覧的にまとめてみました。
損益計算書
売上アップ
経営状況が厳しいことを考えると、難しい話ではありますが、(利益的にマイナスにならなければ)当然、売上アップは需要となります。
売上原価の削減
事業に必要なものをむやみに減らすわけにはいきませんが、売上原価をいかに下げるかが大事です。
販管費の削減
売上原価の削減と同様に、販管費の削減は重要です。
支払利息
基本的には、経営が厳しい以上、支払利息の削減は難しいです。
ただ、制度融資などの利用の可否を見て、条件の変更を模索することが考えられます。
また、他にスポンサーがいるならば、借り換えや借入金の圧縮で、支払利息の削減を図ることができます。
他には、(可能性としては低いのですが、金融機関との交渉で)支払利息の金額は変わらず、それを借入金の元本返済に充当に応じてくれることもあります。
特別利益
補助金などが受給できるならば、このようなものも検討します。
ただ、補助金においては、実際に資金が下りるまで時間がかかることもあり、注意が必要です。
売上・利益をベースにした資金調達
現在資金がなくとも、注文書・契約書などがあり、売上の見込みが立つならば、それを材料に、金融機関からの手形融資を狙います。
同様に、補助金なども交付決定などを書類をベースに、資金調達を考えることができます。
税金
当然ながら、節税を考えます。
また、設備投資などをしているならば、圧縮記帳などの利用で、税金の支払いを遅らせたりします。
そして本当に厳しい状況ならば、税務署などと話をして、返済計画を出して、税金の支払いを待ってもらうことを考えます。
(絶対に、何も話さずに延滞はNGです)
貸借対照表
現預金アップ
現預金がなく、経営的に厳しいと思うので、アップというはないかもしれませんが、社内預金制度というものが考えられます。
売上債権の条件変更
売上債権について、取引にあたり、現金取引にする、前受金・前払金をもらうなどにしていくことがあります。同様に、受取手形の期間を短くしたり、割引などの手段も考えます。
ただ、いずれにおいても、相手があり、交渉などが必要となります。
なお、ファクタリングというものあり、1つの方法と言えますが、費用が高いので、お勧めではないかもしれません。
資産売却
リストラの一般的な手法ですが、遊休資産などを売却し、資金を捻出します。
仕入債務の条件変更
売上債権の場合とは逆に、いかに仕入れ等の支払いを遅らせるかが重要になります。
借入金増額(追加融資)
経営的に厳しいので、更に金融機関に融資をしてもらうのは難しいかもしれませんが、ニューマネーが得られるどうかを検討します。
同様に、金融機関のみならず、他のスポンサーの有無も検討します。中小企業の場合には、役員借入金という形で、社長自らがスポンサーとして、会社に貸すというのは一般的と言えるでしょう。
あとは、あまり例はありませんが、少人数私募などの社債も検討します。
借入金返済のリスケ
事業再生において一般的なもので、元本返済をストップしてもらう方法です。
借入金の借換え
借入金について、借り換えが可能ならば、合わせて返済期間を延長したりして、資金繰りを改善することが考えらます。
例えば、信用保証協会には、借換保証という制度保証もあるので、1つ検討すべき点です。
資本金の増額
社長や他の第三者でもいいのですが、資本金の増額が考えられます。
まとめ
「貧すれば鈍する」ではありませんが、経営が厳しくなると、どうしても考えることができなくなってしまいます。
今思いついていること以外にも、方法はあるかもしれません。
それぞれの細かい点については、改めて書きたいと思いますが、現在検討しているもの以外にも、方法があるかもしれませんので、参考にしてください。
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