概要
ナレッジマネジメントにおいて、その言葉の通り、「ナレッジ」(Knowledge)は非常に重要な概念です。
そして、日本語に訳すと「知識」ということになるのですが、何となくイメージはつくとしても、抽象的でもあります。
そこで、ナレッジマネジメントのナレッジについて、説明したいと思います。
定義
ナレッジマネジメントにおいて、ナレッジとは、次のようなものが含まれる概念です。
〇データ
データとは、売上・利益などの経営上で得られる数字情報であったり、物価指数・為替レートなどの統計的な情報のことです。
〇情報
情報とは、データを素材として、あるメッセージを伝えるものとして、整理加工したものです。
例えば、売上を地域別・商品別に集計したり、時系列に利益を整理するなどがこれに該当します。
データはあくまでも単なる数値でしか過ぎないものを情報として、整理加工する必要があります。
〇知識
知識とは、情報を分析し、その結果を踏まえ、考察を加えたものです。
例えば、地域別の売上情報があったとしたら、知識として、それがどのような意味があるのか、どのような状態にあるのかなどを分析することになります。
〇知恵
知恵とは、知識をもとに、応用力・適応力を用いることで、価値を創造するための源泉となるものです。
知識を得たとしても、価値の創造につなげたり、実行に移らなければ意味がありません。知恵により、それらの知識を活かすことになります。
例えば、地域別の売上、時系列の変化などを分析した知識をもとに、総合的に考え、次の価値創造をどうするか、どのように行動していくかを知恵を働かせて考えることになります。
ナレッジの種類
ナレッジは、上記のように定義されますが、2つの種類があります。
個人知と組織知です。
個人知(Individual Knowledge)
個人知とは、個人に帰属している知識や知恵のことです。
個人が活用・再利用しており、共有化がしにくいものです。
(例)アイデア・ひらめき、人脈、経験・体験、感覚・嗜好 など
組織知(Organizational Knowledge)
組織知とは、組織の価値創造に貢献できるようなものです。
他の人と共有しやすい知識や知恵です。
(例)知的所有権、設計図・図面、マニュアル、方法論・ツール など
留意点
上記のように分けられますが、そもそもは個人知ですが、ある方法により具体化されることで、共有され、組織知になるものもあります。
(例)帳簿、提案書、顧客データ、技術・ノウハウ、セミナー資料 など
参考
アーサーアンダーセンビジネスコンサルティング『図解 ナレッジマネジメント』
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