参入障壁の類型

参入障壁

 参入障壁とは、企業がある市場に新製品・新サービスを投入しようとしたとき、その市場への参入しにくさを表すものです。参入障壁が大きいと、その市場には企業は参入しにくくなります。このことから、新規参入者にとっては、参入しようとしている市場が、参入しやすいかどうか、参入障壁が大きいか小さいかが重要になります。

 逆に、既存企業からすると、ライバル企業が増えると、自社の売上・利益の減少が予想されるため、いかに参入を防ぐか、参入障壁を築くかが重要になります。

 そこで、以下より、参入障壁としてどのようなものがあるのか、例を挙げたいと思います。

参入障壁の例

規模の経済性

 規模の経済とは、生産規模の拡大以上にその産出量が増えるような状態です。

 このようなときには、当然ながら、既存企業はできるだけ生産規模を大きくしているため、新規参入者にとっては、大きな投資が必要になり、参入がしにくくなります。

(例)大規模な製造業
   大規模な製造業においては、初期投資が大きく、新規参入者にとっては参入しにくい状況にあります。
   他方、既存の大規模な製造業では、初期投資は終わっており、工場を稼働させればさせるほど、産出量は増加します。

サンク・コスト

 サンク・コストとは、埋没費用と訳されるものです。投下した資本・設備などにおいて、他社にレンタルしたり売却することで、その投下した資本・設備の費用を回収できる場合もありますが、逆に回収ができないものも多くあります。この回収できない費用をサンク・コストと言います。

 そして、このサンク・コストが大きいほど、新規参入者にとっては事業に失敗したときに投資回収ができないため、参入にあたっての障壁となります。

(例)水道事業
 水道事業においては、上水道・配管設備など、多額の投資が必要になります。ただ、事業に失敗したときに、水道に関する設備などを購入してくれる事業者は行政などに一部に限られ、投資回収は難しいでしょう。この点で、サンク・コストが大きい事業と言えます。

製品差別化

 製品・サービスが大きく差別化されており、その品質などが高ければ、他の企業にとっては、それは大きな参入障壁になります。いわゆる「ブランド」なども、この製品差別化による参入障壁の1つと言えます。

(例)衣料品
 衣料品などは、ブランド力が大きく左右する製品です。既存にブランド力のある製品があれば、それと同じようなものを作ったとしても、「ニセモノ」となり、販売は大きく苦戦するでしょう。

チャネルの確保

 販売や仕入れにおいて、チャネルの有無が参入障壁になります。販売しようとしても、販売チャネル・販売先がなければ、新規参入はできません。逆に、仕入れをしようとしても、仕入れ先がなければ、物がないので、販売はできません。

 このように、販売・仕入れにおいて、既存企業が強いチャネルを有している場合は、新規参入者にとっては大きな参入障壁になります。

規制

 新規参入にあたって、法律などで規制がなされていれば、それが参入障壁になります。また、法律的には規制がなされていなくても、行政の裁量によって、実質的には規制が行われていることがあります。

 また、特許などの知的財産権は、技術などを他社が勝手に利用するのを禁止しており、参入障壁になります。

まとめ

 既存企業にとっては、いかに参入を防ぐかという点で、この参入障壁をいかに築くかが重要になります。

 逆に、新規参入者にとっては、参入障壁が大きければ、参入を諦めざるを得ません。このような場合には、新規事業に変更を加えて、その参入障壁から逃れることが必要になります。

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