概要
需要の状態とは、ある商品・サービスについて、その消費者がどのような認識をもっているかというものです。
例えば、ある商品は人気商品であり、需要が非常に多い場合があったり、医者のように需要はあるがいやいや消費者はそのサービスを利用している場合などがあります。
この需要の状態により、当然ながら、どのようにマーケティングを行うのか、マーケティングの課題は何なのかが異なってきます。
需要の状態
需要の状態としては、次のようなものがあるとされます。
①負の需要
②ゼロ需要
③潜在需要
④低迷需要
⑤不規則需要
⑥最適需要
⑦過剰需要
⑧不健全需要
以下では、それぞれの需要について説明するとともに、マーケティングにおける課題を説明したいと思います。
①負の需要
(内容)
消費者の多くは、その商品・サービスを嫌っており、できるならばお金を払ってでもよいと考えている状態です。
例えば、歯医者や注射などが挙げられます。
(課題)
マーケティングを行うにあたっては、嫌悪の原因を少なくするような商品・サービスの修正、価格の引き下げ、肯定的なプロモーションなどが重要となります。
②ゼロ需要要
(内容)
ターゲットとしている消費者が、商品・サービスに無関心な状態です。
(課題)
商品・サービスを利用することで得られる価値を、消費者のニーズや関心と結びつけることが重要となります。
例えば、株などには興味がない人たちに対して、「儲かる」ことをアピールするといった方法です。
③潜在需要
(内容)
まだ消費者は気づいていないが、既存の商品・サービスでは満たされないニーズがある状態です。
(課題)
潜在需要の市場規模を推定し、その需要を満たす商品・サービスを開発することが重要とされます。
④低迷需要
(内容)
商品・サービスの需要が低迷している状態です。どのような商品・サービスも、いずれはこの状態になると考えられます。
(課題)
低迷の原因を分析し、新しい市場を発見したり、商品・サービスの特性を変更したり、より効果的なコミュニケーションを実施することで、需要が回復できるかどうかを考える必要があります。
⑤不規則需要
(内容)
季節ごとなど一定期間ごとに需要が変動する状態です。
例えば、通勤電車やクリスマスケーキなどが挙げられるでしょう。
(課題)
ピークプライシングを行なったり、プロモーションやインセンティブなどを与え、需要パターンを変え、需要と供給を同時化することがポイントになります。
⑥最適需要
(内容)
需要量が現在の組織にとって、ちょうどよい状態にある需要のことです。
組織にとっては、最も望ましい状態にあると言えます。
(課題)
何よりも現在の需要水準を維持することが重要になります。
とはいえ、競争相手や消費者の嗜好の変化がある中で、絶えず商品・サービスのクオリティの維持や改善が必要になります。
⑦過剰需要
(内容)
需要が組織の規模以上にある状態のことです。
(課題)
このままでは組織は対応できないため、需要抑制のため、価格引き上げ、プロモーション・サービスの削減などを行う必要があります。
⑧不健全需要
(内容)
社会的によくない需要も存在します。
例えば、酒やたばこ、銃・ドラッグなどが挙げられるでしょう。
(課題)
啓発活動や価格引き上げ、取り扱いの制限などを通じて、需要をなくすことが必要になります。
参考
フィリップ・コトラー『マーケティングマネジメント』
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