概要
「ブランディング」が重要であることは、言うまでもないでしょう。
古くからブランドは大事でしたが、21世紀に入り、その重要性は一層高まっているといえると思います。
でしたら、そもそもなぜブランドが大事なのでしょうか。
答えは、簡単で、
「自社のものを他社のものと区別するため」
です。区別できなければ、他社のものと同じにみなされ、自社の商品・サービスの価値は、顧客にはうまく伝わりません。それでは、自社の商品・サービスの価値は埋没し、コモディティ化を招いてしまいます。
そこで、自社の商品・サービスの価値をしっかりと伝えていくという方法の1つがブランディングというわけです。
ブランドの機能
ブランドを有することで、次の3つの機能があるとされています。
出所表示機能
この機能は、誰がその商品・サービスを提供しているのかを表す機能です。
この機能がなければ、自社と他社の商品・サービスを区別するというブランディングの目的を達することはできません。
品質保証機能
この機能は、同じブランドであれば、違う商品・サービスについても、同じ水準の品質を保証していることが分かるという機能です。この例として分かりやすいのが、「企業ブランド」というものでしょう。この企業ならば、その企業が提供している商品・サービスは問題ないだろうというものです。
逆に言えば、違う商品・サービスが良くなければ、元々のブランドも傷がつく可能性があるため、注意が必要です。そのため、同じ企業であっても、違うブランドを使い、顧客の要求に応じた品質保証をしています。
情報伝達機能
商品・サービスについて、その情報を伝えるという機能です。
分かりやすく言えば、商品・サービスで「一目でわかる」というものです。また、情報伝達機能により、口コミを始め、他者に伝えやすくもなります。
なお、ブランドには、ブランドネームやデザインなどがつきものですが、この機能を表現するのに適した手法だからです。
注意点
ブランディングは非常に重要であり、上記のような機能も有しています。
ただ、忘れてはいけない点があります。
それは、ブランディングにあたっては、自社と他社が区別できるような商品・サービスであることが必要です。他社と全く同じ商品・サービスでは、ブランドの出所表示機能を発揮できず、ブランディングは非常に難しいでしょう。
また、自社の商品・サービスにそもそも顧客にとって、価値がなければ意味がありません。逆に価値としてマイナスであるときには、ブランドの上記の機能は、むしろマイナスになってしまいます。
この点から、ブランディングは重要ですが、まずはこの2つの注意点を自社がクリアしているかが、重要であったりもします。
参考
榛沢明浩『図解 ブランドマネジメント』
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