概要
AIDMA(アイドマ)とは、消費者の購買行動プロセスを表す代表的なモデルです。
アイサス(AISAS)など、同じようなものもありますが、最も有名なものがAIDMAでしょう。
このAIDMAについて説明するとともに、フレームワークとして利用する方法を説明します。
AIDMA
このモデルにおいては、消費者は、次のようなプロセスを経て、商品・サービスを購買するとされます。
①Attention(注意)
注意となってますが、まずは消費者は、商品・サービスを認識します。
②Interest(関心)
認識した商品・サービスに関心・興味を持ちます。
③Desire(欲求)
関心や興味がより強くなると、欲しいという欲求が出ます。
④Memory(記憶)
欲しいという欲求は一時的かもしれませんが、次に、しっかりと記憶にその商品・サービスが刻み込まれます。
⑤Action(行動)
最後は、商品・サービスを購入することになります。
なお、AIDMAの5文字は、これらのアルファベットの頭文字をとったものです。
これらのプレセスを聞くと、なるほどと思いますが、それだけで終わってしまうのはよくありません。
(ただ実際は、知識として知られているだけのほうが多いように思います)
ただ、これ自体は、しっかりとしたフレームワークになるので、知識ではなく利用することを考えましょう。
フレームワークとしてのAIDMA
ある販売したい商品・サービスがあるとします。このとき、AIDMAのフレームワークを使って、検討してみましょう。
①顧客の現状把握
まずは、顧客が、5つのプロセスにおいて、どのような態度をとるのかを検討します。
②プロセス移行
現状の顧客が、次のプロセスにどれだけ移行するのかを推測します。
(データがあればいいのですが、なければ、予想で対応するしかありません)
③各プロセスにおける対策
このとき、それぞれのプロセスにおいて、どのような対策をとるのを検討します。
④対策に対する予想
対策をとった結果、どのようになりそうなのかを予想します。
⑤検証
対策を行い、実際にどうなったのかを検証します。
例
ある飲食店の外観対策を考えるとします。
このとき、次のようなフレームワークを考えます。
①顧客の現状把握
まずは、それぞれのプロセスにおいて、顧客がどのような状況にあるかを埋めていきます。
例えば、上記の例で、注意は「店舗の外にある看板を見る」とします。
②プロセス移行
そして、現状、それぞれのプロセスから、次のプロセスに移行する割合を予想します。
例では、注意から関心に移る顧客は50%としています。
このとき、来店数は分かるので、行動に数字を入れます。
例では、1日50人来店があるとしています。そうすると、現状は、約317人が看板を見ているという予想ができます。
③各プロセスにおける対策
その上で、対策をとることを考えます。
例では、注意で「のぼりを設置」して、10%程度、店に気づいてくれる人が増えるとして、350人注意してくれるとしています。
また、関心を高めるため「外のメニュー表に写真を入れ」、関心から欲求に移行する割合が70%から80%に上昇するとしています。
④対策に対する予想
他は変わらないとすると、最終的には、来店数が50人から63人に増えると、予想されます。
⑤検証
あくまでも予想であり、実際に対策を行ったうえで、数字を検証します。
ポイント
上記の通り、予想を積み重ねたもので、それが本当に正しいのか、うまくいくかは分かりません。
データがあればいいのでしょうが、ないことも多いと思います。
しかしこのフレームワークのポイントは、「顧客の状況」「移行割合」「対策」を可視化・明示化することです。
可視化・明示化していなければ、対策をしても、どこが正しかったのか、どこが悪かったのかなどの視点すら分かりません。
しっかりと可視化・明示化し、モデル化することで、検証がやりやすくなります。その意味で、本当のこのフレームワークのポイントは、検証可能性を高めるという点にあるともいえるでしょう。
最後に、エクセルのフォーマットを添付しておきました。
ご自由にダウンロードして、お使いください。
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