はじめに
広告について、どのぐらいかけているでしょうか。
SNSなどにより、無料でPRもしやすい時代になっているとはいえ、ある程度、広告に予算をかけることは重要です。逆に、広告にお金をかけすぎるのも問題です。
よく広告費については、売上の3%などと言われたりもしますが、中小企業においては、そのままこの数字を使うわけにはいきません。例えば、売上が1億円ならば300万円となりますが、このぐらいの売上の企業は従業員数が10人ぐらいの企業なので、予算をかけすぎのような感じがします。
そこで、広告予算の設定方法について、いくつか解説したいと思います。
広告予算の設定方法
売上高百分率法
売上高の一定割合を広告予算とする方法です。
売上高については、前年度の売上高や過去数年の売上高平均、来年度の目標売上などが用いられます。
比較的簡単に予算を設定でき、市場が安定している場合には使いやすい方法ですが、なぜこのような考えで行うのか、合理的には説明しにくい面があります。また、売上が下がっているときこそ、広告費をかけるべきという話もありますが、この方法では対応できないことになります。
なお、商品1個当たりの広告費を決める場合もありますが、この売上高百分率法のバリエーションの1つです。
競争者対抗法
競争相手が実際に支出している広告費をベースに、自社の広告予算を決める方法です。
競争相手の広告費が分かっているならば、1つの考えとも言えますが、企業独自の目標と合致していない可能性があったり、競争相手が広告戦略を変更してくる可能性もあります。
支出可能額法
資金的に負担可能な金額を広告費に充てるというものです。
他の支出の残りを広告予算に充てるので、難しい分析は不要であり、簡単に算出も可能です。
ただ、自社の広告戦略と合致しているかどうか、市場変化などの外部環境に対応しているかどうかとは無関係になります。
任意増減法
経験・勘などに基づいて、これまでの金額から、広告予算を増減をさせるものです。
目標課題達成法
広告目標を立てて、それを達成するのに必要な予算を算出し、費用の合計を出すというものです。
広告目標が高ければ、それだけ費用が発生するので、目標と費用のバランスを考えていく必要があります。
最後に
どの方法に一長一短があり、いくつかの視点で、広告予算は決定する必要があります。
ただいずれの方法にしても、その費用対効果という視点は忘れてはならないと思います。
そして何より、広告予算だけを取り出して考えるのではなく、企業全体の戦略などを含めて、考えるべきともいえます。
例えば、新規事業を始めるときは、その新規事業のうち広告費にいくら充てるかなどを考えたり、広告費を投資という視点で考える必要が出てくるからです。
参考
岸志津江・田中洋・嶋村和恵『現代広告論』
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