概要
計画などを立案する際に、価格や費用などが増減したとき、利益にどのような影響があるかを分析する必要があります。
その分析手法として、伝統的なものの1つがCVP分析(Cost Volume Profit Analysis)です。
考え方としてはシンプルなので、このような言葉を知らなくても経営者などは行っていることもあるかと思いますが、改めて説明します。
CVP分析
まずは、利益を$ \pi$ 、販売量を$ x$ 、販売単価を$ p$ 、変動費率を$ v$、固定費を$ F$とします。
このとき、次式が成立します。
$ \pi = px – vx – F$
ここで、$ px$ は売上高を表し、$ vx$ は変動費です。
つまり、売上高から変動費と固定費を差し引いたものが、利益というわけです。
数値例
例えば、上記のそれぞれについて、次としましょう。
販売量:500個
販売単価:200円
変動費率:100円
固定費:10,000円
このとき、利益は次のようになります。
$ \pi = 200 \times 500 – 100 \times 500 – 10,000 = 100,000 – 50,000 -10,000 = 40,000$
例1
販売量は変化せず、値上げをして価格が10%アップすることができたとしましょう。
そうすると、次式から、利益は40,000円から50,000円へと、10,000円アップすることが分かります。
$ \pi = 200 \times 1.1 \times 500 – 100 \times 500 – 10,000 = 110,000 – 50,000 – 10,000 = 50,000$
例2
オフィスの家賃などが上昇し、固定費が20,000千円アップしたとします(固定費は30,000円となります)。
そうすると、次式から、利益は40,000円から20,000円へと、20,000円減少することが分かります。
$ \pi = 200 \times 500 – 100 \times 500 – 30,000 = 100,000 – 50,000 – 30,000 = 20,000$
例3
価格を引き下げて、販売量を増やすことを考えたとします。価格を50円下げることで、販売量は20%アップ期待できるとしましょう。
そうすると、次式から、利益は40,000円から20,000円へと、20,000円減少することになります。
$ \pi = 150 \times 500 \times 1.2 – 100 \times 500 \times 1.2 – 10,000 $
$ = 90,000 – 60,000 – 10,000 = 20,000$
このことから、この価格引き下げ策ではむしろ利益は減少してしまいます。販売量が増えるからと言って、価格引き下げを行うのは問題ということが分かります。
まとめ
このように、CVP分析は単純ですが、販売単価・販売量・費用などが変化したとき、利益がどのようになるかを検討することができます。
なお、このように販売単価・販売量・費用の数値を動かし検討することを、「感度分析」などと言ったりもします。
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